ヌンチャクモーションについて
なんとなくヌンチャクのモーションを作ってみたくなり挑戦してみました。動画にしたものは、ツイッターにアップしました。
かくし芸的な何か pic.twitter.com/9zbiKP1qQ6
— kwmgc (@kwmgc) 2016年9月16日
せっかくなので今回は備簿録的にこのモーションの解説を行います。
まず、モーションを作っていて立ち止まったのは、ヌンチャクの持ち手を替えた時にモーションが作れなくなることです。MMDに使うモデルはボーンという骨格を順番につないでそれの変形でモーションを作るのですが、これは上位のボーンから下位のボーンへ一方向につながるもので、下位のボーンから上位のボーンへは動きを伝えることがででません。私が取りあえず作ったヌンチャクモデルは、持ち手の一方からもう一方の持ち手までボーンがつながっているものでした。そのため、持ち手を替えた時、上位ボーンの方向に動かすことができないのです。これは(構造は違いますが)鞭の動きをイメージしていただければわかりやすいと思います。鞭の持ち手から先の方には順番に動きが伝わっていきますが、鞭の先を持って動かしても手元だけしか動かせませんよね。
どうやらヌンチャクのモデルのつくり方にポイントがあるようです。単純に一方向のみのボーン構造では無理があるようです。う~ん、それじゃ両方向にボーンがあればいいのですね・・・。(ただし、同じ部分についてはボーンは1つだけしか使えません)
持ち手をつなぐ紐の真ん中まで両方向からボーンを向ける形も検討しましたが、これでは持ち手側しか動かないので使えません。
一方向にしか動かせないのなら、持ち手を替えた後のモーションに対し別のヌンチャクモデルを使い、表示・非表示を繰返せばモーションを作ることはできるでしょう。 この方向でヌンチャクモデルの形式を検討しました。モーションの作りやすさからモデルはできればひとつにしたいと思い、次のようなモデルにしました。
これはひとつのモデルの中に同じヌンチャクをふたつ作っています。本来は位置も同じところにあるのですが、ここではボーンがわかりやすいようにずらしています。ちょっとわかりにくいですが、ボーンは青い矢印の方向に向かっていて、一方の持ち手側で反対方向に向っています。これをヌンチャクを持ち替えるまでのそれぞれのモーションに対し使い、一方が表示されている間は他方が非表示になるようにしてモーションを作りました。
ヌンチャクのモーションはこんな感じです pic.twitter.com/iRVpIGoPkQ
— kwmgc (@kwmgc) 2016年9月16日
今回の作業は、MMDの外部親機能(ふたつのモデルをMMD上で連結し動かす機能)を使って作成しました。外部親機能は便利な機能ですが、持ち替えるたびごとにフレーム登録が必要なので、そのたびにモデルの表示画面を切り替える必要があり持ち替えなどが頻繁にある場合は手間が多くなります。また、作成したモーションを新たにモデルに読込んで作業をする場合はそれぞれのモデルにモーションを読込んだ後の調整も場合により必要になります。こういったことからモーションが複雑で持ち替えなどが多い場合はふたつのモデルを予め合成し、ひとつのモデルとした方が作業が簡単になるかもしれません。今回の動画ではかくし芸ということでウタさんにはお手玉をやってもらいましたが、これは三個のお手玉の持ち替えが多い上に、お手玉のモーションが少しずつずれていてモーションのコピーが使えず作るのに時間がかかりました。
MMDでモーションを作る場合、実際の動きらしく動かすにはいろいろ工夫が必要です。それはMMDで使うモデルが実際のものに比べ簡略した形で作られているためです。実際のものに近いモデルを作るのには時間がとてもかかり大変です。また、パソコンの処理能力が高まったといわれる現在でも、実際のものと同じくらい精緻なモデルを動かすのは負荷がかかり過ぎます。そのため簡略化した(制限のある)モデルになるのですが、それを実際のものらしく動かすには、そのギャップを埋める何かを付け足す必要があります。それがおそらく創意とか工夫とかというものだと思います。